保育士不足であるため需要が高い
保育士の仕事は待遇面など多くの課題が残されているものの、将来的な見通しは決して暗いものではありません。
まず現状でも全国平均で2.76倍という高い求人倍率であり、東京都限定では約6倍と、完全に労働者と雇用者の需給ギャップがあっていません。
他の業種でも人材不足は多く発生していますが、工業化やAIの導入、IoT技術の発展によって人材不足を補うことができる業種と異なり、保育の仕事は必ず人の手が必要となります。
むしろ少子化が進むことにより子供一人にかける教育費は非常に高額化する傾向にあり、保育士に求められる技能も年々高まってきているようです。
保育士として勤務をするためには国家資格を得なければならないこともあり、一度資格を取得することにより、全国どこでも勤務ができるという強みがあります。
また、公立や私立の保育園・保育所といった施設以外の場所からの保育士の求人が増加する傾向にあり、保育士としての勤務経験を活かしたキャリアアップもできやすい状況となっています。
現在、国や地方自治体が新しい保育システムの構築を急いでいますが、根本的には人材の優秀さによって決まる業務であることから、将来的にもしばらくこの需給ギャップは続いていくものと予想されます。
少子化でも無くならない仕事であること
保育士の仕事の話題で問題になるのは少子化ですが、現実には少子化が進むことと反比例して、保育サービスを望む保護者の数はどんどん増加しています。
これは都心部へ人が多く集まるにつれて、祖父母や親類と離れて暮らす家庭が増え、家庭以外で子供の世話をしてくれる人が不足してきているからです。
地域で育てるという子育てではなく、プロの手に任せる保育方法を望む家庭が増えており、子供のうちから専門的な教育を受けさせたいと考える親もまた増えています。
こうした傾向は今後進むことはあっても、かつてのような家族型育児に戻るということは考えにくいため、今後も継続的に保育士の需要は増加していくことが予想されます。
ただ今後も全く同じように保育士の仕事があるかというと決してそういうわけではなく、時代の変化により新たな能力を求められるという可能性は十分にあります。
業務の一部をITシステム化したり、保護者との連絡ツールにIoTが導入されるといったことがまず考えられるでしょう。
他にも移民が増加していくことにより、保育士にも高い外国語能力が求められるようになるということも予想されます。
保育士資格についても時代のニーズによって変化していくと思われますので、保育士として仕事をしていくにあたっては、常に新しい保育についての情報を集めるアンテナが必要になるでしょう。