保護者からの育児相談
保育士の仕事は児童福祉法により定められているものです。
そこでは保育士は18歳までの子供に対しての保育全般を行うとともに、保護者への育児の相談や助言を行うと記載されています。
保育園を利用する保護者の多くは初めての出産を経験したばかりの人で、子育て自体に全く慣れていないということがよくあります。
周囲に子育ての相談に乗ってくれる人がいればよいのですが、結婚や出産のために引っ越しをする人が多くまた地域のコミュニティそのものが希薄になってきていることもあり、なかなか親身になって子育ての悩みを聞いてくれる人というのは見つけにくいものです。
そこで保育士は育児教育のプロという立場から、子育て中の悩みについて保護者からの相談を受付ていくことになります。
主な相談方法は毎日の登園の時に渡してもらう連絡帳を通して行いますが、その他にも気がかりなことがあったら直接園に来てもらうなど、対面で相談を受け付けることもあります。
子育てというのは子供のことだけでなく、周囲とのコミュニケーションあってのものです。
保育士は視野を広く持ち、その保護者にとって何が必要なサポートになるかを寄り添った視線で考えていくことになります。
コミュニケーション時に気を付ける点
保育士と保護者の間に信頼関係がないと、なかなかうまく保育をしていくことができません。
実際に、保育士のちょっとした一言が保護者から不信感を得るきっかけになってしまっていることもあるようです。
保護者を対象にしたアンケートによると、保育士の言動を不愉快に感じたことがあるかという質問に対して「はい」と答えた人は約6割にのぼったという結果があります。
もちろん保育の方法に正解はなく、保護者と意見が対立することがあるので常に100%好かれる必要は全くありません。
それでも不用意な言動が不信感の原因になってしまっているということは、頭に入れておいた方がよいでしょう。
具体的には「勝手に子供におかしなあだ名をつけていた」「子供をバカにするような行動をしていた(自分の子以外に対しても)」「特定の子供や親をひいきしていた」といったことが挙げられます。
特にあだ名に関しては、保育士にしてみたら親しみをこめてつけたつもりが、それが悪い意味での「いじり」のように感じられてしまうということはあるようです。
実際にあった例としては、保育の最中におもらしをしてしまった子供に対して「おもらしちゃん」など、赤ちゃん扱いするようなことを言っていた保育士がいたと言います。
仕事に慣れ始めた時期にこそ、つい不用意な言動をしてしまいがちなので、つまらないことで保護者からの不信感を得ないように十分に気をつけておきたいところです。